140424 4月24日(木)「受け継がれる文化遺産・歴史的建造物を訪ねて」開催     

東京は、江戸時代から政治・経済ばかりではなく文化の面でも日本の中心地として栄えてきた。しかし、歴史の荒波の洗礼を受け、また現在もなお社会・経済状況の変動により、文化遺産ともいうべき多くの歴史的建造物が確実に減少し、失われつつある。 こうした状況に鑑みて東京都が設立した「江戸東京たてもの園」の見学会を4月24日(木)に開催した。
参加者は当初予定のピッタリ10名。場所は桜で有名な小金井公園の片隅にある。お花見に訪れた人も多いかと思うが、「たてもの園」を訪ねた人は意外と少ないようである。八重桜があちこちで見事な花を咲かせていた。 この施設の設立目的は、東京に残る江戸時代前期から戦後までの現地保存が不可能な文化的価値の高い建造物を移築・復元・保存し、貴重な文化遺産として次代にしっかりと継承していくことにある。
訪問してまず迎えてくれたのは、正面出入口にあたる「光華殿」であった。紀元2600年記念式典が行われた式殿という歴史的建造物である。園内見学の前に、お願いしたガイドさんを待つ間、展示室を見学。ガイドの織壁氏が到着し、西ゾーンから見学は始まった。西ゾーンには、デ・ラランデ邸、大川邸・小出邸・前川邸など、明治・大正・昭和に建てられたさまざまな建築様式の住居が復元されていた。さらにその奥手には、八王子千人同心組頭の家・農家など茅葺き屋根の江戸時代の民家が見られた。織壁氏の的を射たガイドに参加者はしきりに感心。センターゾーンでは、旧自証院霊屋を経て高橋是清邸へ。2・26事件の現場となった書斎(寝室)を見学。西川家別邸などを巡りながら東ゾーンへ向かう。東ゾーンは、昔の商家、銭湯、居酒屋など下町の風情が漂う建造物が復元・展示されていた。店頭には、当時の商売道具や商品が展示されているところもあった。われわれの少年・少女時代に使った鉛筆やノートなどの展示品を見ると、懐かしさも一入であった。いろいろな店舗、銭湯の建物内に入ってみると、そこで生活した人々の思いが偲ばれた。
食事を武蔵野の伝統の味を伝える食べ物処「蔵」でとり、記念撮影をして解散。 風薫る緑豊かな野外博物館をたずねた一日は、知的満足と歴史的郷愁を胸に収め、無事終了した。

参加者
荻野慶人・翁村和男・影井恭子・菊澤君江(多摩稲門会)・佐々木高久・竹内元義・成瀬勝也・野村修・長谷川晴男・六本木忠久

<文・写真 野村 修>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です