2011.07.03 7月3日(日) 第3ブロック「江戸友禅を訪ねる会」開催
江戸古来の伝統工芸の一つ「江戸友禅」が、この荻窪の地で継承されている。せっかくこういう文化が身近にあるのだから、我々もそれを知ろうではないか、という世話人の長谷川将氏の提唱でことが始まった。7月3日(日)、その「江戸友禅」の第一人者で「かねこ友禅」を設立した金子直美氏は第3ブロック/宇都木光一氏の御夫人である。
会場は仕事場である荻窪南口の商店街を抜ける辺りに建つ「かねこ友禅ビル」2F。会場には惚ぼれとする友禅の着物や小物類、友禅の鼻緒を立てた日田杉の下駄なんかも並び、染めに使う銅の蒸し器など私たちには珍しいものが目をひく。今回は実際に模様の型を抜いた型紙から細かい染めを体験させていただいた人もいれば、薄手の大判ショールのような布に4色のぼかし染めというダイナミックな体験もあった。直美先生のお話は講義を聞くというより、会話の中から、なるほど、とか、ああそうかぁと思いながら心に残っていくものが多い。“下絵には朝どりの紫つゆ草を使う。それは洗うとすぐ消えるから”とか、“江戸友禅の特色は淡彩のぼかし”とか。また、“京都や加賀の友禅はその行程の部門ごとに職人さんの集団があり分業するが、江戸は一匹狼が多くて、単独で多くの行程をやる人が多いという。直美先生もその一人とか。従ってまとまりにくく、国の助成金も難しいという。なんだか「一匹狼」という響きが心地よく、そこでつい、古く遡る西と東の文化、縄文と弥生の根っこからの違いみたいなことがチラチラ心をよぎる。
「かねこ友禅」は海外にも進出されているようで、当然ながら外人に受けるもの、全く理解されないものがあり、それらを実物で見せてくださったのが面白かった。華やかなものがウケるのはいいとして、秋風にすだれが舞って鈴虫の声が聞こえてくるような風流でステキな絵柄は「これはまったく理解されませんでした」との説明。外人といえども友禅に興味を持つ人なら、とは思うがやはり理解されなかったか、それが可笑しく、笑い声も上がった。一方、私はちょっと誇らしい思いももった。多分皆も同じでは?今回は稲門会としては女性の参加者が多く華やいだ空気で終始した。
【参加者 24名(敬称略)】
秋山一郎、秋山寿子、池田芳昭、池田夫人、石村誠人、牛山洋一、宇都木光一、田口佐紀子、中村正代、新村康利、長谷川将、馬場一義、馬場夫人、星靖男、星ご令嬢、前坂靖弘、松尾清、松永謙、村上明、望月衛、村上洋子【スタッフ/金子直美、宇都木紀保、遠藤千里】
○親睦会≪於:さかなや道場≫【出席者12名(敬称略)】
松尾清、秋山一郎、村上洋子、望月衛、前坂靖弘、長谷川将、馬場一義、村上明、宇都木光一、金子直美、宇都木紀保、遠藤千里
【村上洋子、写真/前坂靖弘】